設立の目的


 阿賀町は新潟県の東部に位置し、かつては福島県(会津藩)に属していたことから、全国的にも珍しい「両属の文化を持つ地」として会津と越後双方の歴史と文化が融合した町です。佐渡島よりも広い町土953㎡の94%は森林で、飯豊山や御神楽岳を代表とする多くの山々と豊富な森林資源、そして大河、阿賀野川と清流、常浪川の流水に恵まれた水と緑の美しい町です。

 こうした豊かな自然と先史から受け継がれてきた文化を背景に、町を愛する多くの人々の労苦と英知に支えられ、豊かな自然にはぐくまれた農林業、そして清酒をはじめとした多種多様な食品、奥阿賀温泉郷とも呼ばれる8つの温泉地等様々な産業が営まれ、阿賀町の暮らしを支え、町の活力を生み出す原動力となってきました。

 しかし、近年、阿賀町においても「人口減少とそれに伴う少子高齢化」が課題となっています。新潟県内で最も高齢化率が高い町であることから、今後地域社会における担い手不足につながる恐れがあります。
そのような中、令和2年6月に、「地域人口の急減に対処するための特定地域づくり事業の推進に関する法律」が施行され、地域人口の急減に直面する地域において、地域産業の担い手を確保するため、季節需要に応じて複数の事業に従事する労働者派遣事業を行政が支援する制度が創設されました。

 阿賀町は以前より地域おこし協力隊を多く受入れている実績があり、町外からの若者を受入れ、みんなで育てようとする土壌があります。また、地域の人たちが学校と連携しながら、ふるさとを愛する子どもを育てていく取組も進められています。こうした人情味あふれる「人」こそがこの町の魅力です。
そこに新たに特定地域づくり事業協同組合を設立することで、地域内事業者の仕事を複数組み合わせて通年の仕事を作り出し、安定的な雇用環境・安定的な給与を創出し、そのことにより人口流出を抑え、UIターンを促進し、人口減少対策にさらなる実績が得られるのではないかと考えるに至りました。

 阿賀町に必要なのは、この地域を心から愛し、活力をもたらしてくれる人材です。この組合で働くことにより、この阿賀町に生活拠点を置き、組合員が提供する様々な仕事や地域の人たちとの関わりによって経験や知見を蓄積し、阿賀町の地域課題に積極的に挑んでくれることを期待し、それを支援する組織を作ります。